BOEING B-377 Stratocruiser

民間旅客機がダグラスとロッキードに制覇されていた1945年、ボーイングはB29から発達したC97をベースに新エアライナーの開発をはじめた。B-377の特徴有るダルマ型の胴体は、B29の胴体直径2.9mの上に3.35mの上部胴体を乗せた形状で、与圧室を形成するのに容積効率と構造効率の向上をはかった結果である。この大型の下部胴体は貨物室としてのみならず、14席取りつけられる広さのラウンジバー、寝室としても利用され、余裕の有る総席数52〜60席とともに、今日の旅客機では考えられない優雅な空の旅を提供した事が今日でも本機が懐かしがられる理由のひとつでもある。

 PAAでは1949年3月、本機の一号機の引渡しを受け、Clipper・Goldengateと命名しサンフランシスコ〜ホノルル間に就航させ、同年9月にサンフランシスコ〜東京間を飛行し、始めて日本に姿をみせた。最終的にPANAMでは1960年まで本機を計29機使用した。早い時期にジェット旅客機と交代した本機はその後貨物機として活躍し、胴体を大型化したスーパーグッピーはサターンロケットや、旅客機の胴体輸送にも活躍した。

 
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