愛知 M6A1 水上攻撃機 晴嵐
日本海軍は世界でも稀にみる潜水艦と搭載攻撃機の組み合わせによる戦法を発案し、米本土などの奇襲攻撃を行うための大型特殊潜水艦イ400の建造を計画。昭和17年、これに搭載する十七試特殊攻撃機の開発を愛知航空機に命じた。昭和18年に完成した機体は潜水艦の狭い格納筒に収容するための主翼、水平尾翼、垂直尾翼の折りたたみ、フロートの着脱機構を持ち、作業は洋上に母艦が浮上している短時間にできるよう考慮され、翼の展開には1分を要しなかった。最高速度は470Km/h、緊急時にフロートを投棄すれば560Km/の高速飛行が可能であった。 パナマ運河の攻撃を計画したが戦況悪化で計画は流れ、昭和20年8/17のウルシー環礁攻撃に出発するものの洋上で終戦となり、実戦に参加することなく終わった。 発動機:アツタ32水冷倒立V型12気筒1400HP 武装:850Kg魚雷又は800Kg爆弾X1 13mm旋回機銃X1 乗員:2名 総生産機数:28機(陸上型南山含)
潜水艦と搭載攻撃機の組み合わせという発想は今の潜水艦発射型ミサイルとでもいうべきでしょうか。当時の日本海軍の大胆かつ斬新な発想に驚くとともに、狭い収納筒に収容するための緻密な小型化、折りたたみ機構の開発と、短時間の展開収納を実現した作業兵のチームワークと練度の高さに日本人特有の個性を感じます。
|