三菱一七試艦上戦闘機 A7M2 烈風
試作機のテストパイロットの手記によれば、天山艦攻とほぼ同じ大きさという大柄にもかかわらず、「ハ43」換装した機体は、速度、上昇性能、格闘戦性能ともに抜群の性能を発揮し、特に操縦のしやすさ、視界の良さは当時多くなった低練度の搭乗員にも容易に乗りこなせる機体で、一げき離脱攻撃さえ受けなければ無敵となったであろう、とあります。歴史に「もしも」は禁句ですが、実戦に参加せずとも、米軍の手により性能評価されていればまさに当時の世界水準を超える名機として名を残していたかもしれません。
当時の生産環境の悪化による「誉」の性能低下も有りますが、「ハ43」は排気量が誉の35.8 Lより一回り大きい41.6Lで2,200HPを発揮したので、「ハ43」への換装による性能向上は当然の結果だったのかもしれません。
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