Fleet Shadower AIRSPEED AS39 GENERAL AIRCRAFT GAL38
レーダーが登場する以前の1930年代後期、敵艦隊を夜間追尾監視する用途で開発されたイギリス海軍の大型艦上偵察機、通称「フリート・シャドワー」
夜の闇に紛れて敵艦隊を長時間追尾するための航続性能と低速性能の良さ、視野の広さ、夜間着艦を考慮した頑丈な機体と着陸装置が要求された。これに対しエアスピード社とジェネラルエアクラフト社がそれぞれ試作機を製作、AS社が胴体が金属製で翼が木製、GA社が全木製のそれぞれ肩翼4発機を開発した。
両機ともエンジンは小馬力のポブジョイ・ナイアガラ7気筒170HPを4発搭載、機首に偵察員を乗せ監視窓は大きく、強度の高い固定脚を持った機体となったが、低速での安定性に欠け、垂直尾翼を大きくするなど対策に手間取るうちに、実戦では敵艦隊の出現頻度が低い上にレーダーが発達し、両機とも実用化されることなく終わる。
肩翼、小馬力4発、大きな機首と窓、広いトレッドの固定脚・・・限られた用途に特化していくと形態は独特のものとなります。洗練さに欠け性能もいま一つ、形も美しくはありませんが、この2機は用途に特化するとどうなるかを体現しています。
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