Republic P-43 Lancer

リパブリックの前身セバスキー社は同社のP-35の改良型として、エンジンを換装し胴体後部下面に排気タービン過給機を装備した試作機を開発。制式機としては不採用となるが陸軍航空隊はこの機体の基本構成に注目、実用試験機YP-43ランサーとしてとして発注を受けた。改良を重ね1941年部隊配備となり高空性能は良かったものの運動性能が低く、一応量産化されたもののほとんどは中華民国空軍へ供与され、米陸軍航空隊では少数が偵察訓練機として使用されるに留まった。しかし、この基本設計を踏襲しエンジンを大馬力のR-2800にして武装、装甲を強化した機体はP-47となり、大きな成果を挙げることとなる。  発動機:P&W R-1830空冷星型14気筒1200Hp 最高速度:576km/h 武装:12.7mm機銃x4

セバスキーというとどことなく垢抜けず、もっさりとした印象がありますが、このP-43は胴体後部下面に排気タービンを装備するという後の商業的成功をおさめたP-47の基本形を完成し、F-105、A-10に至る同社にとってのマイルストーン的機種となりました。小さい尾翼のアンバランスなど、決して格好の良い機体ではありませんが、単発機での排気タービン装着方法の一つの原型を作ったという点で、記憶に留めるべき機種の一つといえます。YP-43の受注後、社名をリパブリックに変更しています。


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